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インターンシップに発生する矛盾は「採用」と「教育」の矛盾から生まれる

新治 嘉章
新治 嘉章
2015年1月14日
このコラムは、私自身がターゲット採用、ダイレクトリクルーティングを深く本質的に思考したい時にまだ情報が少ないと感じ、書き始めたコラムです。

私と同じくターゲット採用やダイレクトリクルーティングを嗜好する方や従来の大量に母集団を形成し、ふるいにかけるマス採用といわれる採用活動から脱却したい方にとって少しでも参考になれば幸いです。

まだ個人的な考えが多いですが、発信することによってコミュニケーションが生まれ、個人が知識を持っていく。
いずれできる集合知のきっかけになればと思っています。

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今回のテーマは、「インターンシップの矛盾」

インターンシップは、参加学生の可能性を見極める施策として有効だと感じています。
その一方で、インターンシップを質と量を追求した母集団形成施策として捉えると格段に企画の難易度は上がると感じています。

それはインターンシップを企画、実施する際に発生する矛盾が難易度を高める要因だと考えています。
その矛盾について触れつつ、インターンシップをダイレクトリクルーティングにどう活用するのかを考える上で参考になれば幸いです。

このテーマの元、以下の流れでお伝えします。
0.「インターンシップ」がなぜ企業、学生からも選ばれてきたか。
1.インターンシップ企画時に頭を悩ませる「採用」と「教育」の矛盾
2.「採用」と「教育」が市場からは求められるのに、組織からは求められない矛盾
3.自社社員の更なる活躍のために実施する施策をオープンに

0.「インターンシップ」がなぜ企業、学生からも選ばれてきたか。
2005,6年などリーマン・ショック以前から、会社説明会では集めにくいターゲット人材の母集団を
形成する施策として「インターンシップ」は有力な選択肢に選ばれてきました。
学生からも「スキルアップ」、「仕事・業界・企業理解」「新たなコミュニティ形成」
といった理由から「インターンシップには時間があれば参加したら良いと思う」と評判され、参加者も一定の人数まで増えてきました。

倫理憲章の変更に伴い、学生接触の有効な施策としてインターンシップが注目され、実施企業の増加が加速。
2014年になり、採用活動の更なる後ろ倒しに伴い、インターンシップ実施時期がこれまでの夏・秋だけだったものが、12~3月の冬も選択肢に入ってきました。
1年間を通すと、インターンシップの開催数は相当数増えていると考えられます。
事実、インターンシップを新たに実施する時期として秋(10~11月)が14%増。
冬(12~1月)が13.4%増と通年でインターンシップを開催する企業が増えています。


1.インターンシップ企画時に頭を悩ませる「採用」と「教育」の矛盾

良いインターンシップとは、「採用」と「教育」のバランスが取れたインターンシップだと考えています。

※良いインターンシップの定義は以下のように定義します。
「実施する企業・参加する学生の両者にとって満足行く内容であり、お互いが望む結果を伴うもの」

企業が望む結果は、人事が採用予算を活用して実施する限り、ターゲットが採用できたかどうか。
定量的な結果の評価指標は、採用人数。
実施時の評価指標は、ターゲットの接触人数と選考への遷移率が指標となります。

仮に「採用ブランドを高める」をゴールにする例もありますが、
この場合、採用ブランドが高まった故に採用にいたるシナリオの設計が必要になります。

参加する学生が望む結果は、参加時点では入社ではなく、自分がいかに成長できたか。
参加して何を知れるか、身に付けられるか。そして、誰と出会えるか。(メンター&参加学生)
これは定量的ではなく、定性的な成長実感。加えて結果的にどのようなコミュニティができるかです。

採用を考えると、「惹きつけ」と「見極め」。教育をふまえると、「実践&レビュー」と「交流」・
これをプログラムに落としこむとよくあるプログラムはこのようになります。

・アイスブレイク(目的セット、自己紹介)
・主催企業からのプレゼンテーション
・グループワーク(以下略、GW)
・中間発表&レビュー
・社員質問会
・最終発表&レビュー
・懇親会

このプログラム自体は良い素案になっていますが、各プログラムにどこまで意図をふまえられているか。
その意図を考える際に採用と教育のバランスが求められます。

・プレゼンテーションで会社説明と同時に参加学生が取り組むGWのインプット(発見)になっているか。
 普通の会社説明になっていないか。
・GWによって、学生の見極め&自社の魅力付けと同時に学生のスキルを伸ばす設計になっているか。
 GWをやれば学生は満足すると考え、テーマ設定を甘く考えていないか。
・GW後の学生発表に対するレビューで社員の魅力を伝えると同時に学生に気づきあるレビューができているか。
 断片的な事例紹介だけになっていないか。
・懇親会などで参加社員との交流会だけでなく、学生同士の交流もあるか
・上記を、運営に関わる社員にも共有できているか。

これが、すべてのプログラムに求められる「採用」と「教育」のバランスです。

そこまで過保護に考えるのか。と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
通常の会社説明会や選考であれば、学生・企業双方の目的が合致するため考えなくて良いかもしれません。
しかし、インターンシップにおいては双方の目的が異なるため必要になります。

ジョブウェブは、インターンシップ黎明期の2002年頃から携わっていますが、
昔から良いインターンシップとはこの2つのバランスが取れているインターンシップです。


2.「採用」と「教育」のバランスが市場からは求められるのに、組織からは求められない矛盾

良いインターンシップと長い期間、言われているインターンシップは少ないことが実態です。
かつては良いと言われていたが今となっては影を潜めてしまう。それはなぜでしょうか。

それは「採用」と「教育」のバランスを取ったインターンシップの企画スキルが市場からは
求められるのに、組織からは求められない故の矛盾があると考えています。

仮に、初年度インターンシップを15名×2ターム実施し、そこから2,3名採用できたとします。

その時に注目されるのは、結果となる採用人数や採用できた人物像。
何故かと言うと、企業がインターンシップをやる理由は、良い人材が採用できるからです。

その要因にまでマネジメント側が注目したとしても、インターンシップをやったという手法には目が行きますが、
「採用」と「教育」のバランスをふまえたインターンシップ企画の話までは、
組織からするとマニアックなため、目がいきにくく、評価されにくい。

その後、翌年の目標はインターンシップから5、6名採用しようとなります。
そうすると、受け入れは60名(15名×4ターム)。東京開催を関西開催も追加。

「採用」と「教育」のバランスをふまえたインターンシップ企画スキルが評価されない限り、
それは仕組みには落ちず、担当者に帰属したスキルとなり属人的な成功要因となります。

そのため、担当者が同じであれば同様以上の成果を上げることができるかもしれませんが、
担当者変更や、担当者は同じでも関わる協力社員への共有が疎かになったといった理由で
企画が崩れるケースも散見されます。

前年を下回る結果や前年の倍以上にコストを割いたが成果が前年同様だったりすると、
その要因を内部から改善しようと考えると担当者や企画が変わり、時には開催自体がなくなっていきます。

結果、かつては良いインターンシップと言われていたインターンシップがいつしかなくなっていく。
この要因は、「採用」と「教育」のバランスを取ったインターンシップの企画スキルが
組織からは評価されないため、継承されていかないこと(仕組みではなく個人に紐づく)だと考えています。

個人的には、成功事例が続かなくなる典型的なパターンは2つ。
1つ目は、インターンシップで接触数の数の追求に走り出すケース。
上述した仮パターンでもあるように、接触数を追求するとPDCAが回るのはどうやれば数を集められるか。
一定の成果が出たのであれば、本来PDCAを回すべきは、ターゲットの接触率を上げることや、選考への遷移率を上げること。
数を追求すると、実施回数が増えたり、実施日数の短縮化が起きる。
実施回数が増えると集客工数と協力者が増える。
実施日数が減った分の企画変更を考えるべきだが、時間が取れず、プログラムのクオリティが下がる。
接触数は増えたが選考遷移率が上がらない。もしくは強引な集客により、ターゲットの接触率が下がる。
そんなケースが多いと感じています。

2つ目は、マネジャーの変更のケース。
採用や教育経験のない方が人事担当のマネジャーについた時に「採用」と「教育」のバランスの話を理解するか。
理解しないまでも、興味を持つかは重要だと考えています。


3.自社社員の更なる活躍のために実施する施策をオープンに

今後も進む少子化を考えた時に、採用を目的に実施しているインターンシップは有効な手段なのか。

個人的に、人間が比較する行為を辞めない限り、良いインターンシップをすべての企業が実施することは不可能だと考えます。
そのため、上述したような良いインターンシップを実施する企業が増えても、ただでさえ、入社するかもわからない人に対して過保護すぎるという声も聞こえてくる中で、その限度を上げていくことは考えにくい。
そもそもの良いインターンシップの定義すら変わっていくかもしれません。

では、インターンシップ以外にターゲット人材を採用する施策はないのでしょうか。

また、少子化の中で経営に貢献する人事として考えた時に、外国人採用や女性の活用などが注目されていますが、今いる社員の更なる活躍も注目すべきだと個人的には思います。
(それが、タレントマネジメントというものなのかはわかりませんが)
そろそろ実施して満足になっている人材研修も次のStageに行くべき時だと思います。

自社の社員がより活躍するためには何ができるか。
学生に支払っていたインターンシップの参加料や優勝賞金や海外ツアーを社員に活用するなら何ができるか。

その施策はきっと企業のビジョン実現に貢献する施策になるのではないでしょうか。
そして、その施策を一部でもオープンにすることはできないでしょうか。
オープンにできた場合、それは本来の意味の就業体験に近づくのではないでしょうか。

採用目的のインターンシップは、人材研修の一部を学生にオープンにしたことから広がっていったように、今度は人材研修を次のStageに上げることで、インターンシップに変わる施策が生み出されるのではないでしょうか。

決して大それた企画じゃなくても良いと思います。
小さな施策でも社員の更なる活躍をオープンにする。
そんな施策を私としても増やすことに今後は頭を使っていきたいと思います。

採用を目的としたインターンシップを企画するすべての人にとって
何かしら参考になる記事になっていれば幸いです。

補足をすると、インターンシップに限らず「採用」と「教育」のバランスを取った企画が出来る方のスキルは
今後普遍的だと感じています。

そのスキルは組織からは評価されにくく、一般的なスキルにはなり得ないかもしれませんが、
ニーズを持つ人はニッチかもしれませんが存在すると思います。

なので、安売りせずに高付加価値なスキルとして求められるべきところに提供できると
それはひとつのビジネスになるのではと考えています。
属人的なスキルだからこそ高く売れる。そんな類のものなのではないでしょうか。


インターンシップの目的、企画コラム一覧はこちら
この記事を書いた人
新治 嘉章
新治 嘉章

株式会社ジョブウェブ 代表取締役社長

1984年3月 島根県大田市生まれ、千葉県柏市育ち。3児のパパ。2006年 株式会社ジョブウェブに採用コンサルタントとして入社。 スタートアップの新卒採用立ち上げや大手企業の幹部候補学生採用を支援。2013年7月より代表取締役社長就任し、就活の仕組みを変えるをビジョンに会社の変革に取り組んでいる。「仕事を楽しむ大人を増やす」が個人のコンセプト。

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