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情報収集と締めくくりで行うこと~面接官の役割その1「引き出すこと」(後編)~

小緑 直樹
小緑 直樹
2015年4月7日

前回の記事『事前準備と導入で行うこと~面接官の役割その1「引き出すこと」(前編)~』でもご説明した通り、学生の本音や本来の姿を引き出すには、以下、面接においての4つのプロセスそれぞれに工夫が必要です。

【事前準備】→【導入】→【情報収集】→【締めくくり】

前回の前編のテーマは、【事前準備】と【導入】での引き出す工夫でした。

今回の後編は、【情報収集】と【締めくくり】での引き出す工夫をお伝えします。

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見極めのために必要な情報と情報収集の際に効果的な3つの工夫

【情報収集】

面接の【情報収集】とは、面接を通して「目の前の学生が自社で活躍するのかどうか」の判断材料を集めることを指します。

では、『学生が活躍するかどうか』を見極めるために必要な情報とはなんでしょうか?

それは、大きく分けて2つの「特性」に分けることができます。

一つは『考動特性』。
文字の通り、目の前の学生がどのような場面でどのように考え、どのように行動するのか。そして、「その特性は自社の仕事の中でも、同じように考え行動し、成果を出すことができそうか」を引き出します。自社とのスキルフィットを確認する情報収集とも言えます。

もう一つは、『志向特性』。
その学生の過去・現在・未来の価値観の軸はどこにあるのか?あるいは、どうのように形成されたのか?どのような瞬間にモチベーションが動くのか?就職活動ではどのような業界、企業を受けていているのか?そのような学生の志向性を確認し、自社との相性の確認に活きる情報を収集します。自社とのカルチャーフィットを確認する情報収集とも言えます。

これら情報収集について、マニュアル本に塗り固められた学生の姿や、必死で暗記した一問一答の面接対策からは、真面目さは伝わるかもしれませんが、「自社で活躍するかどうか」はなかなか見極められません。

だからこそ、学生の本音や本来の姿を引き出す工夫が必要になります。

【情報収集】の際に効果的な3つの工夫を簡単に紹介します。
それは『1.事実情報の収集』と『2.受け止めサイン』と『3.感情面の掘り下げ』です。

1.事実情報の収集

面接では、学生の現在の「考え」「意見」を聞いてもあまり意味がありません。「考え」や「意見」は、本心でなくても、その場や面接官に合わせて最適な答えを伝える傾向があり、学生の本来の姿が見えにくくなります。

面接では、「考え」や「意見」ではなく、過去の事実情報を引き出すのが重要です。つまり、「今、どう考えているかでなく、その場面では、どう考えたか?」「何がしたいか?でなく、何をしてきたか?」などです。

考えて答えてもらうというより、思い出して答えてもらうイメージです。突拍子のない質問をぶつける面接とは違い、学生のエピソードを中心に過去の経験を聞くので、学生にとっても話しやすいという特徴があります。

2.受け止めサイン

受け止めサインとは、うなづき、相槌、笑顔、等々の同意や共感のことです。
引き出すのが上手な面接官の方は、質問の鋭さや丁寧さなどの質問の仕方より、受け止めサインがうまく、学生から積極的に話す状態を作っているように思います。上記の事実情報の収集を行うにあたっても、面接官の受け止めサインは、学生から多くの情報を引き出せる大きな武器になります。

3.感情面の掘り下げ

感情面の掘り下げとは、学生の話の中で「気持ち」が動いた場面に焦点を当てて、その時の気持ちを代弁&聞き出すことです。
例えばサークルの部長のエピソードで「メンバーからなかなか話を聞いてもらえない時期もあった」という話が聞けた場合、「なぜですか?」「どうしたんですか?」と聞くのではなく、「それは辛い時期でしたね。実際、部長との責任もあったし辛かったんじゃないですか?」と気持ちにフォーカスを当てます。
感情が揺れ動く場面は、考動特性や志向特性が出やすい点もあると同時に、自分を理解してくれようとした、話を聞いてくれたといった面接官への共感度が向上するタイミングでもあります。

以上のような工夫を用いて、情報収集フェーズで、うまく学生の本音や本来の姿を引き出せると見極め的にも惹きつけ的にも良い面接が行えます。

面接の最後。学生からの質問でその真意を確認する

【締めくくり】

面接の最後の締めくくりで、学生からの質問を受け付ける会社が多くありますが、この質問受付からも学生の本音や本来の姿を引き出すことができます。

結論からいうと、「学生から出る質問の回答 + その真意を確認する」ということです。
例えば、女性の学生から「小さな子どもがいながら働いている女性の社員はどれくらいいますか?」という質問があったとします。おそらくその学生が本当に知りたいことは、「◯人」という人数ではなく、「自分も子供が生まれてからも働ける環境があるかどうか」、つまりは「子供が生まれても働きたい」という学生の希望が隠れています。そこをうまく取り上げ、確認することで、より学生の本音を聞くことができます。

先ほどの例でいうと、子供がいながら働いている女性の人数や、会社としての働く子持ちの女性への考え方を回答をしつつ、「子供が生まれても働きたいという希望があるんですね」という形で、真意を組んで、確認の一言を入れると、さらなる学生の本音の部分が引き出せます。

面接官の【引き出すスキル】の磨き方

面接において学生の本音や本来の姿を「引き出す」ことは面接官にとって最重要な役割と言えます。その引き出しの良し悪しで、面接の2つの目的である「見極め」と「惹きつけ」の双方に大きな差が生まれます。

このコラムでもいくつか引き出す工夫をご紹介させて頂きましたが、実践の場で適切に「引き出す技術」を出し入れして、面接を行うのは、本当に難しいことです。

面接における引き出す技術についての情報は、本コラムでも世の中の本やインターネットでも手に入りますが、面接官が実際の場で実践できるかは全く別の話です。当たり前ですが、実際の面接の場では、知っているだけでは意味がなく、できなければいけません。

そう考えると、受動的なインプットにとどまる情報収集や、面接官トレーニング研修ではあまり意味がなく、面接官自身が、実際の面接の場でどのように引き出す技術を使うのか、能動的に考えイメージし、実践できるような場や研修が必要だと思います。

また、その会社に適した面接の引き出すスキルが1つのマニュアルとしてまとまり、それを元に実践の面接でも、何度も試行錯誤できると、その会社の面接力は向上すると思います。

採用上のコミュニケーションの中で重要な面接力が向上に今回のコラムが少しでも貢献できれば幸いです。

次回は面接官の役割その2 【評価すること】についてお伝えしたいと思います。

面接官の心得コラム?面接の2つの目的と、面接官に必要な5つの役割? 目次はこちら
その他の面接の仕方、見極め方コラム一覧はこちら

この記事を書いた人
小緑 直樹
小緑 直樹

株式会社アスタンス 代表取締役
株式会社ジョブウェブ シニアディレクター
公益財団法人日本ユースリーダー協会 上席研究員
英国GCC,Ltd認定ICCA-Japn国際キャリア・コンサルタントMaster

大学卒業後、採用・人材育成支援を行う株式会社ジョブウェブに新卒1号として入社。複数の事業部の事業部長、責任者を歴任する中で採用のコンサルティング案件を中心に90社以上の採用支援に携わる。大手グループ会社や自治体・公共関係組織を対象に採用理論・採用手法についての講演も多数実施。さらに大学やその他教育機関で年間700名以上の学生のリーダーシップ教育やキャリア支援教育を行う。 2012年6月に株式会社ジョブウェブを退職し、「株式会社アスタンス」を設立。企業の採用支援と学生のキャリア支援、双方の経験を活かし多数のプロジェクトを手掛ける。企業、学生への講演・研修数は全国にて年間70本以上実施。

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