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ジョブウェブが合同企業説明会の開催を辞めた理由。

新治 嘉章
新治 嘉章
2015年5月11日

ジョブウェブは、2014年7月以降、自社主催の採用イベント、いわゆる合同企業説明会の開催をすべて辞めました。正確にはリアルでの開催を辞め、オンライン開催に切り替えました。

「なぜ辞めたのか」と聞かれることが増えてきましたので、それなりに考えての意思決定でしたが、時間が経ち、少し客観的にも考えられる状況になったため、改めて整理も含めてコラムとして投稿いたします。

今回のコラムでは、採用イベントに変わる施策の提言はありませんが、もし近年の採用イベントに対して少なからず違和感を持つ方の言語化や学生支援、引いては採用活動における学生とのコミュニケーションを再考することに貢献できれば幸いです。


コミュニティ

ジョブウェブが自社主催セミナーを辞めた当時の理由は、「人と組織の新しい関係を創造し、自己実現を支援する」という私たちの掲げる理念を体現できないと判断したからでした。この理念を体現する上で、イベントは相応しくないと判断しました。

ただ、今振り返ると結論にいたる要因はもっと現実的なこと。
「市場の流れを変える企画を実現する力がなかった」この現実から目を背け(少しずつ変えられていると錯覚するなど)、市場にしがみつくことはできたが、いさぎよく負けを認め、別の戦い方に切り替えたのだと思います。きっと、当時は辞めた決断を美化しないとその決断ができなかったのだと思います。

市場の流れに乗ることも判断としてはあったと思います。ただ、それは私達の理念である「人と組織の新しい関係を創造し、自己実現を支援する」ではない、そこだけは誠実に向き合うことはできていたのでは思います。
市場の流れをつくり、乗ることができていたのに、途中からできなかった。その変遷を以下に整理していきます。


テーマ別小規模イベントの誕生

ジョブウェブがイベントを開催し始めたのは、1999年。
大規模合同企業説明会が全盛期だったように感じます。

個人の力では出会えない企業数の話を1日で聞ける。1社の力では出会えない学生数に1日で出会える。この価値が多くの学生と企業を動かしていました。しかし、インターネットが普及し、Webで知れる話を一方通行のコミュニケーションで聞く形となり、より深い情報を得たい学生が増えていました。企業側も誰がいるかわからない中で深い情報を話しにくい。
この構造が次第に「みんなが参加するから参加する=参加することの安心」が目的となり、大規模合同企業説明会の当初の価値から変わっている頃でした。

『もっと深い話を双方向で話すべきではないか』そう考え、特定のテーマを決め、『テーマに関心のある学生30?40人』と『テーマに関心のある学生に興味がある企業を3?4社』を集め、座談会やアルコールを交えながらの交流会を行うイベントを開催しました。

顔と顔が見える距離感、共通のテーマによる一定の絞り込みがあるからこその話があり、普段では見えにくい内面がわかり、相互理解が進んでいました。

学生のことを最優先に考えたプログラムとテーマのユニークさから感度の高い学生の支持を集めたと共に採用したい企業の支持も集めていきました。

結果的に、イベントきっかけの価値ある出会いが多く生まれ、設立間もないジョブウェブの成長を後押ししていただきました。


市場の拡大と共に置き去りにされた参加学生視点

テーマ別小規模イベントの開催は難しくなく、テーマを決め、学生を集めれば企業が集まる。プログラムもシンプル。一見すると同じようなセミナーが増えていきました。
結果的にナビに頼らずに採用ができる手法として一定の地位を築き、市場が生まれました。
イベントによってメインの売上を形成する採用支援会社も非常に多く存在します。

その市場には、企業も採用支援会社も更なる期待を寄せました。そして、セミナーによる『採用人数の拡大』と『売上の拡大』の流れが強まり、その結果、『参加学生視点』が置き去りにされていきました。

企業の採用ニーズにウェイトが置かれたテーマ、学生定員・参加企業枠の増加により双方向性が失われたプログラム設計など、いつしか特定のテーマによる小規模イベントはかつての大規模合同企業説明会の形に年々近づいているように感じます。採用イベントは売上を効率的に拡大しようとすると大規模化せざるを得ないのかもしれません。


市場の流れは想像以上に強かった

市場の状況を見た時に流れをどうにか変えられないか。そう考え流れに逆らうことを試みたものの市場の流れは想像以上に強く、当時の私達の企画力、営業力、運営力では変えることができませんでした。

設立当時イベント中心だったジョブウェブがWebサイト中心に変わっていたため、すべてのリソースをイベントに投下できなかったことも要因にあるかもしれません。

・流れを変えていると錯覚し、しがみつくには体力的にも精神的にも限界は近づいていた
・流れに乗ることもできたがそれだけは理念に反すると判断できていた

これらのことが開催を辞めることにつながったのだと思います。

それにしてもよく売上の15?20%ほどあった商品のすべて辞めることができたと思いますが、売上のメインではなかったからこそできたのかなと思います。


採用イベントはどうあるべきか

冒頭でもお伝えしたとおり、今回のコラムで採用イベントの新たな形に対する提言はありません。

私達は今でもイベントにはこだわりを持っていますが、まだ見えていません。
ただ、イベントの価値は辞めたからこそ感じるものがあります。
その感覚を採用支援で関わる企業様やパートナー企業様とご一緒する機会に形にし、実感を深めています。

現状明確に言えることは、『イベントは1つのコミュニティである』ということです。

コミュニティはコミュニケーションによって形成されます。
一方通行はコミュニケーションとはいえません。
1人ではコミュニケーションはできません。
それがオフラインで集まり、コミュニケーションが生まれるからこそ生まれる価値。
その価値に採用イベント。そして、採用活動で行われるセミナーやインターンシップはこだわるべきだと考えています。

まだ言語化できているのはこの程度です。

現状言語化できている範囲のことは、今後学生とのコミュニケーションのマニュアルとして共有していきたいと思います。

第1弾として、セミナー開催のマニュアルを作成いたしました。
新卒採用関連のセミナーを開催する方にとってなにかしらご参考になれば幸いです。


新卒採用 入門マニュアル 『セミナー開催編02“プロモーション”』

>> http://company.jobweb.jp/post/a-117953

私達としても引き続き感覚は実践を通じてより研ぎ澄ませていこうと思いますので、もしすでになにか感じることがある方がいれば、是非お話を伺わせてください。


最後に:市場の成長と共にコンセプトは忘れ去られる

新卒採用に限らず、人材業界は売上規模を拡大すると、それに比例してスタート時の想い、コンセプトは忘れ去られるように感じています。

結果、始めた当初は変えたいと感じていた仕組みと類似していってしまう。

これが人材業界が進化がない要因ではと考えています。

この事に触れると話が広がりすぎてしまいますので、この程度にとどめますが、就職活動の情報交換を行うメーリングリストから始まったジョブウェブは、原点に立ち返り、新卒採用のコミュニティ運営を多くの方が容易にできる仕組みを形成しています。まだ至らない点もありますが、ユーザーの皆様に使っていただきながら、人と組織が共に自己実現できる仕組みをつくっていきたいと考えております。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本コラムが、近年の採用イベントに対して少なからず違和感を持つ方の言語化や学生支援、引いては採用活動における学生とのコミュニケーションを再考することに貢献できれば幸いです。

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この記事を書いた人
新治 嘉章
新治 嘉章

株式会社ジョブウェブ 代表取締役社長

1984年3月 島根県大田市生まれ、千葉県柏市育ち。3児のパパ。2006年 株式会社ジョブウェブに採用コンサルタントとして入社。 スタートアップの新卒採用立ち上げや大手企業の幹部候補学生採用を支援。2013年7月より代表取締役社長就任し、就活の仕組みを変えるをビジョンに会社の変革に取り組んでいる。「仕事を楽しむ大人を増やす」が個人のコンセプト。

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