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理想の就職活動と採用活動の形とは何か ~<就活>廃止論を振り返る~

佐藤 孝治
佐藤 孝治
2016年7月20日

2010年1月16日に上梓した拙著「<就活>廃止論 (PHP新書)」の第6章で5つの提案をしました。 提案1 「企業研究と自分磨き」と「選考試験」は大学1年生からスタート 提案2 成績優秀者に対する複数年入社パスの発行 提案3 学生の意思表示期間を大学4年の10月に設定 提案4 選考試験フィードバックの実施 提案5 新卒通年採用・毎月入社の実施 当時、私が最も課題だと考えていたことは、就活をスタートしてから「もっと一生懸命に頑張っていればよかったのに」と後悔する学生が多いことでした。どうすれば、何かに一生懸命取り組んだと自信をもって言える大学生を増やせるだろうか、就活がスタート時に自分の学生生活を後悔しない大学生を増やせるか、ということを考えながら執筆をしていました。

同じ頃、企業の人事担当者からは、 「採用したい学生はライバル会社からも内定が出て取り合いになってしまう」 ●「いい人がいればいくらでも採用したいけれどなかなか出逢えない」 ●「サマーインターンシップで出逢った採用したいと思った学生に対して内定を出したいけれど選考解禁までは思いを伝えてはいけないので継続フォローが大変」 といった声を沢山聞いていました。

理想の就職活動と採用活動の形とは何か ?<就活>廃止論を振り返る?

就職という自分の生涯の問題を「一発勝負」で決めてしまう現在の就活

現在、サマーインターンシップは3年生の夏にスタートすることがあたりまえになりました。

サマーインターンシップの選考に落ちることで自分のこれまでの学生生活を反省して、意識と行動を変えるきっかけにする学生がいます。これは、「<就活>廃止論 (PHP新書)」5つの提案でイメージしていた企業から学生へのフィードバックの一つの形です。インターンシップ参加率は6割となっているが、参加時期は2月が最多で、実際は就活が始まる直前に1日程度の短期間のインターンシップ的なものに参加したという学生が多数派を占めています。 一般社団法人 日本経済団体連合会の「採用選考に関する指針」の手引きには、「広報活動」と「選考活動」を分けて行うようにと示されています。広報活動期間に学生は企業の情報をインプットして、実際に社会人から話を聞いて行きます。憧れの企業への想いが高まって行きます。 しかし、いまの自分が選考を突破できるレベルにあるのかどうかは、正確には分かりません。企業側は曖昧にしか伝えてはいけないというルールになっているために、明確には合格とか内定だということを伝えることはできません。分からない中で、自分なりに努力を重ねて行きます。SPIの対策をしたり、英語を磨きTOEICのテストを受けています。そして、「選考活動」の時期に一気に選考が進み、選考結果が出ます。 第一志望に落ちてしまった学生は、何がだめだったのだろうか、もっとできることがあったのではないか、と落ち込み、悩みます。企業側は大量の学生と限られた期間の中で選考活動を行って行くために、基本的には落としてしまった学生に対して何が足りなかったのかをフィードバックすることはできません。時間的にも難しいということありますし、正確な落としてしまった理由はなかなか言葉にしにくいこともありますし、社内的な事情によることもあるために、フィードバックすることによって悪影響がでる恐れもあるのです。 ここで『<就活>廃止論 (PHP新書)』の中で提示した就職活動パターンの問題点を再掲します。

現在の就職活動パターンの問題点は、私の見るところ次のようなものだ。 ●学生自身は大学4年生になった春に、内定が取れる、取れないという結果によって、やっと自分に対するが企業のから評価されているの現在のレベルを認識する。そのため、そのタイミングからそこからでは自分をのレベルアップをしながら企業の選考活動を受けることがは難しく、い。就職活動をが自分自身を成長させる経験として充分生かしきれていない。生かされていない。 ●企業が内定を出してから学生が実際に入社するまでの1年間もあるために、経済環境の変化が激しい今の時代、会社内での人材の需要予測が難しい。中には新入社員にやってもらう予定の業務がなくなってしまったり、逆に人材が足りない事態になってしまったりする企業が少なくない。08年の急激な景気落ち込みで内定取消が問題になったことは記憶に新しい。 ●一般的な就職活動の流れには初動で「出遅れ」たものの、大学4年生の春から努力して成長し、夏には就職活動の準備が整ったというようなパターンの学生がいたとする(実際に少なくない)。しかしこうした学生が自分の希望する企業に入ろうとすれば、自ら単位を落として留年するいわゆる「就職留年」をするしか道がない。要するに就職活動が1年1回の「一発勝負」になってしまっている。 現在の就職活動では、企業の設定した採用活動スケジュールに合わせ、自分自身の能力をしっかり高めていきながら、企業の選考プロセスをクリアしていく必要に迫られるがある。多くの学生たちは自分がどんな能力を高めていくべきなのかもよく分からないまま手当たり次第に選考に突撃していく。大学受験の時のような、分かりやすい全国総合模試のようなものが就職活動には存在していないのだ。

企業の選考プロセスを通じてようやく何が足りなかったのかに気がつき、そこから少しずつ実のある努力して急激に成長するが、時すでに遅しで、入りたい会社は応募を受け付けていない――という悲劇が毎年繰り返されている。「出遅れるのが悪い」と言ってしまえばそれまでだが、就職という自分の生涯の問題をこのような荒っぽい一発勝負で解決するということ自体、おかしいと思う。 (p182~184)

もっと自由度の高い採用プロセスに進化させる必要がある

『<就活>廃止論 (PHP新書)』を執筆しながら「何かに一生懸命取り組んだと自信をもって言える大学生を増やす」ためにはどうすればいいだろうかということをずっと考えていました。もっと言えば、1999年10月に株式会社ジョブウェブを起業して以来ずっとこの問いと向き合って来ました。そして、「広報活動」と「選考活動」は完全自由化して「学生の意思表示期間」を設定してはどうだろうかというアイデアが生まれました。 それが、5つの提案でした。特に 提案3 学生の意思表示期間を大学4年の10月に設定 がこれまでの採用活動と就職活動のルールとは大きく違う部分です。提案3に関連した部分を再掲します。

短期間に迫られる意思決定 就職活動は「企業研究と自分磨き」「選考プロセス」「意思決定」「内定」という4つのフェーズに分けることができる。現在行われておる就職活動の一般的な就職活動プロセスでは、学生が企業から内定を獲得してから入社の意思決定をするまでの「意思決定」フェーズで納得がいくまで考えることができない状況の学生が多く存在している。企業側としても採用予定人数の最終的な調整のために、内定を出した学生のうち実際には何人受諾してくれるかがわからず、場合によっては追加で内定を出す必要も出てくる。そのため「2週間以内にお返事ください」といった状況になってしまう。選考に通ることに必死だった学生は、内定をもらった瞬間、自らの人生のファーストステップとしての会社を選ぶという選択を、ごく短期間にしなくてはいけない立場になる。他社の選考状況なども含め、極めて難しい選択を迫られる。「就職活動疲れ」のため、これ以上考えるのは嫌だという形で意思決定をしてしまう人も多い。 「ここで就職活動を辞めるなら内定を出すが、続けるのであれば出さない」と言われれば学生は悩む。内定を蹴って就職活動を続けたとしても、より理想に近い会社から内定が出るとは限らない。ここで「妥協」して「ラクになる」べきか、続けるべきか。初めての経験で、どうすればよいのか学生は悩む。企業側も必死である。バブル時代にはクルーザーに乗せてそのまま内定者旅行という名の拘束に入る企業もあった。みんな一斉のタイミングで選考活動が進んでいるため、このような状況が生まれてしまう。このような生産的でない状況の下で意思決定をさせるのは、学生にとってはもちろん、企業にとっても良くない状況だ。もっと自由度の高い理想的な採用プロセスに変えていく必要がある。 では、どのような方向に採用活動と就職活動を進化させていくべきなのだろうか。 1. 就職活動の後半戦にならないと自分の内定力レベルを認識することができない。 2. 内定を獲得してから入社までの約1年間内定取り消し問題などのリスクがある。 3. 就職活動の流れに出遅れてしまうと「就職留年」をしなくてはいけなくなる。 といったような、現状の採用活動と就職活動の問題点を、就職活動のパターンを進化させることで、解決できると私は考えている。議論のたたき台として私なりのアイデアを5つ提示してみたい。 <途中省略> 提案3 学生の意思表示期間を大学4年の10月に設定 現在、多くの企業が大学3年生の4月から5月にかけて内定出しを行う。また、外資系企業やマスコミ、ベンチャー企業などでは、3年生の年末に内定出しを行う企業もある。前述したように、内定を獲得してから卒業まで約1年間の期間があり、その間に企業業績が悪化したことによる、内定取り消しが大きな問題となった。経済環境の変化のスピードが早まっている中、採用計画をたてるタイミングでは2年先に入社する社員の採用について考えなくてはいけない状況になっており、採用計画の立案が非常に難しいものになっている。 現在の就職活動において、大学3年の1月から3月にかけて行われている会社説明会から選考プロセスの流れと4月から5月にかけて行われている内定出しと意思決定のタイミングを、大きく見直してみてはどうだろうか。 例えば、大学4年生の10月を学生の意思表示期間とすることを提案したい。この期間に「入社パス取得者からの入社意思表示連絡」と「最終面接受験可能評価パス取得者からの選考受験希望連絡」そして「一般受験エントリー」を受け付ける。また、企業からも今までに、インターンシップ、セミナー、選考試験などで接点を持った学生に対して、「意思表示」や「一般受験エントリー」を呼びかける。10月の期間に企業と学生が相互にコミュニケーションをとりながら、入社する企業を決定していく。 このように、採用プロセスの方法と時期を変えることで、内定取り消し問題と学生が自分の現状を把握できないという問題を解決できる。企業の選考プロセスを受けて評価されない学生は、「学生の意思表示期間の大学4年の10月」まで、学生生活や課外活動に一生懸命取り組み、自分を成長させる努力を続けていく。そして、準備が出来たと思われるタイミングで適宜、企業の選考にチャレンジしていくというパターンが一般的になる。評価を受けてから実際に入社をするかどうかを決定するタイミングは大学4年生の10月なので、自分なりに納得のいくまで考え抜いて、どの会社に入社するかを決定することができる。 (p186~202より抜粋)

何かに一生懸命取り組んだと自信をもって言える大学生を増やすことに、貢献したい

「<就活>廃止論 (PHP新書)」の上梓から6年半の時が経ち、就職活動と採用活動を取り巻く環境が変化をしてきました。 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震では多くの人が現地で支援活動を行い、大学生がボランティアをする割合が高まって来ています。毎日新聞の学生100人アンケートでは「今後ボランティアを行いたいか」という質問に対して、84%の学生が「行いたい」と答えるほど、ボランティアへの関心が高まっているようです。 また、いまの大学生の世代は物心ついた頃には当たり前のようにインターネットがあり、小学生の頃にはスマートフォンが普及し、twitter、facebook、LINE、Instagram等のSNSを自然に使いこなしています。 そして12月に就活サイトがグランドオープンし、4月選考スタートというスケジュールでしばらくの間定着していたが、ここ数年間の間に、就活のスケジュールが細かく変化し続けています。 ●2015卒: 2013年12月グランドオープン/2014年4月選考スタート ●2016卒: 2015年03月グランドオープン/2015年8月選考スタート ●2017卒: 2016年03月グランドオープン/2016年6月選考スタート ここ数年の採用と就職の歴史を見つめると、意志を持って動けば、変化を起こすことができるということが、分かりました。 今年も、就活のタイミングに関する議論が出ています。インターン通じた採用、新卒へ解禁を議論するために文部科学省と経済産業省と厚生労働省が連携をとって検討会を設置するというニュースがありました。インターンシップ(就業体験)を通じた採用活動の解禁について議論が始まろうとしています。始まります。 そのような中で、ジョブウェブは「ゼロから始めるプログラミング講座」という講座を通じてITスキルを学ぶ機会を提供してきました。AJITORAで海外でインターンシップに挑戦する機会を提供し世界中に若者を送り出してきました。低学年から参加できる機会を増やすことを通じて、就活で後悔することのないような何かに一生懸命取り組んだと自信をもって言える大学生を増やすことに、貢献したいと考えて行動してきました。2017採用シーズンのトヨタ自動車様との採用変革プロジェクトこうゆう様の新卒採用プロジェクトではまさにこの思いを具体化することができました。 就職と採用はこれからも変化していくことでしょう。我々は、どのように変化していくのかを予測するのではなく、積極的に変化を創り出していきたいと考えています。企業と学生双方にとって理想の形に進化させていくにはどうすればいいのでしょうか。あなたはどのようにお考えでしょうか。 ぜひ、議論をさせて頂き、一緒に実践をさせて頂ければ幸いです。

この記事を書いた人
佐藤 孝治
佐藤 孝治

株式会社ジョブウェブ 代表取締役会長
公益財団法人日本ユースリーダー協会 理事
一般社団法人アスバシ教育基金 理事

1972年東京都生まれ。早稲田大学社会科学部卒。就職活動後、大学4年生の96年10月ジョブウェブを創設。97年7月アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。99年10月ジョブウェブを法人化し代表取締役社長就任。以後、学生の就職支援と企業の採用支援を通じて、 学生と企業の本音コミュニケーションをサポートしている。2013年7月より代表取締役会長に就任。著書に「<就活>廃止論(PHP出版)」「内定の原則(英治出版)」等。

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