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インターンシップで採用ターゲットの母集団形成をすることに限界を感じています。(もちろん会社説明会も)

新治 嘉章
新治 嘉章
2016年7月14日

「インターンシップによる採用ターゲットの母集団形成」について、どのような考えをお持ちでしょうか。 私自身は、2013年あたりからインターンシップの在り方に疑問を感じ始め、2014年からその疑問が強くなり、2015年で確信に変わりました。2013年はリーマン・ショックで新卒採用を縮小していた会社が採用活動に積極性が感じられるようになったタイミング。2014年は内定出しが4月から8月へ変更し、インターンシップが早期の採用活動として認められた初年度。2015年は、その倫理憲章の変更が、採用活動に及ぼした影響が見えてきたタイミングです。 確信を持ったからといって、「どうやればターゲットを採用できるか」はまだ日々模索中です。「これだ」と言えるものはまだ無いのですが光を感じてきているのが現状です。だからこそ、この段階から発信していくことで、共通の問題意識を感じる方たちと考え、実行していくことができればと思っています。よろしくお願いします。 まずお伝えしたいことは以下の2つです。 ・インターンシップ自体を否定するものではありません。 ・インターンシップで採用成果が出ている場合、継続するべきだと思います。 ジョブウェブは2002年からインターンシップの普及に関わり、今でも「良いインターンシップ」は今後も継続されるべきだと考えています。良いインターンシップが継続されていることを知ると、「企画・実施する人事担当者」、「その人事担当者の方を評価されている経営者、人事責任者の方」には誰よりも純粋に尊敬ができる自信があります。 「良いインターンシップ」とはなにか。それを継続させることがなぜ難しいか。などは以下の2015年1月に書いたコラムに整理しています。拙い文章ですが、もしご興味があればご覧いただければ幸いです。 http://company.jobweb.jp/post/a-117748 以前のコラムでも書いているのですが、私は、良いインターンシップをすべての企業が実施することは難しいと考えています。 そんな中、「インターンシップから採用成果が出ていないのに実施が目的になっているケース」、「まだインターンシップを実施していないが、早期の採用活動を重要視し、他社動向を見てインターンシップを実施しようとしているケース」。こういったケースを見ると全力で止めたい気持ちが湧き出ます。(とはいえ、対面してしまうと、せっかく実施しようとしている前向きな気持を否定するような雰囲気になってしまうので、全力では止められていないのが現実なのですが。。。) なので、ここでは対面していないことをいいことに上記のようなケースを止めたい気持ちを全力でお伝えしたいと思います。 このコラムは以下の様な構成でお届けします。 ・インターンシップは会社説明会に感じていた問題意識の救世主だった ・インターンシップでターゲットに出会えていた理由 ・なぜ、インターンシップに限界を感じるか ・インターンシップに代わる施策はなにか 前説が長くなりました。では、本題です。

インターンシップで採用ターゲットの母集団を形成することに限界を感じています。(もちろん会社説明会も)


インターンシップは会社説明会に感じていた問題意識の救世主だった

インターンシップは、以下のように始まり、一定規模まで普及していったと認識しています。 ・先進的な人事担当者の方たちの「大学生に社会との早期接点をつくりたい想い」から始まった。その結果、大学卒業後の将来に対して目的意識のある情報感度の高い学生が集まり、結果的に企業にも良い出会いが生まれていった。 ・その後、会社説明会ではターゲットが集まりにくいと感じている企業の方たちに受け入れられ、社会との早期接点として適切なプログラムが普及していった これが、2003年、2004年頃でしょうか。確か夏のインターンシップをテーマにした合同企業説明会の初回がこの頃でした。私も参加者として2004年に参加し、2005年には当日バイトとして手伝っていました。 この時から、ターゲットに出会う施策としてインターンシップは企業に選ばれていったと感じます。もしかしたら、会社説明会によるターゲットとの接点は2004年頃から限界だったのかもしれません。

なぜ、会社説明会ではターゲットが集まりにくいのか。

「ターゲットにとって、その会社の説明を聞くことがニーズとずれていたから」 これが理由だと思います。ターゲットに対する企業認知度が低ければ、その会社の説明を聞くことのニーズが存在する可能性も低くなります。認知度がある企業においてもニーズと企業イメージがズレている場合があります。例えば、実際はチャレンジをしているからこそ安定しているように見える企業でも、世間的なイメージが「安定している」、「働きやすい会社」のイメージが先行している場合、ズレが生じます。 そんな課題を抱える企業には、インターンシップがフィットしたのだと、企業規模問わずインターンシップが普及していった結果を見て感じます。

インターンシップでターゲットに出会えていた理由

では、なぜインターンシップではターゲットに出会えていたのでしょうか。 それは、学生のインターンシップを選ぶ基準が「業界・企業名」ではなく「プログラム内容」だったことが大きいと考えています。 先述しましたが、インターンシップには自分の将来を考える目的意識のある学生が参加していました。漠然と、「将来こんな仕事がしたい」、「こんな人生を送りたい」と考える学生が、疑似体験することや、実現可能性を高める経験として参加していたため、そのインターンシップではどんな体験ができ、どんな経験を積むことができるのかが重視されていきました。 参加してみると、共通の考えや、異なる価値観を持つ大学の垣根を越えた同世代とつながりができることも学生の満足度をさらに高め、その満足度が他の学生にも広がっていきました。 「早期から動く学生は優秀」 この言葉は、多くの人事の方、採用支援会社の方にとって、1度は聞いたことがある話だと思います。 この言葉は、情報感度の高い学生とその周辺にいる学生たちがいたこと。また、インターンシップを通じて学生自身も成長していたことによって、「早期から動く学生は優秀」が確かなように広まっていったのではと考えています。 優秀に感じられる学生が、プログラム内容で選んでいた。これが、インターンシップでターゲットに出会えていた要因だと考えています。

なぜ、インターンシップに限界を感じるか。

「インターンシップの会社説明会化」、「インターンシップの就職活動本番化」など、なんと表現していいのか難しいのですがインターンシップが始まった頃とは異なる状況になったこと。さらに、それが今後改善されることは構造的に不可能だと感じることが要因です。 これらは以下のことによって形成されていったと考えています。 ・採用支援会社が採用成功の施策として普及させたこと ・企業が採用を目的にやっていたこと ・倫理憲章の中で、インターンシップの実施が認められたこと 最後の倫理憲章の変更が私としてはトドメでした。倫理憲章の変更で起きたことは様々ありますが、以下2つのことに大きく影響を及ぼしたと感じています。 1.「インターンシップは就職活動だ」という学生の意識が醸成された 倫理憲章変更の前から学生はインターンシップに参加すると内定が出る、内定が近づくものとわかっていました。これが倫理憲章の変更によって、多くの学生が認識したと思います。自分が行きたい企業の選考を受ける上で有利に働くなと下駄が履けるような感覚が強くなりました。 2.クオリティに問題を抱えるインターンシップの増加 倫理憲章の変更でインターンシップ実施企業は増えました。そこで提示されたガイドラインで明確な基準になったのは期間のみ。かつてから「名ばかりインターンシップ」というキーワードは盛り上がっていましたが、これが死語になるほどクオリティに問題を抱えるインターンシップが増えてしまいました。会社説明、目的のないグループワークとありきたりなフィードバック、オフィス見学。これらが増えたことで、元々インターンシップに参加していた目的意識のあった学生たちが、いわゆる波が引くようにとはこのことかと象徴するように引いていきました。 他にも、外部環境の変化も追い風になりました。 震災によるボランティア意識の高まり、地方創生で地方の社会問題化、LCCと共に海外インターンシップが普及、ベンチャーキャピタルが活況でスタートアップでも最低賃金以上の時給が出るなど、インターンシップ以外に学生生活でできる魅力的な機会は増えています。 このような状況の中、インターンシップでターゲットを集めることはできるでしょうか。 事実、今でもインターンシップで採用を成功させている人事担当者の方は存在します。それはもう秘伝のタレのように歴史と共に深みをます名店主のような方や、レッドオーシャンに果敢に挑み颯爽とミッションを遂げる歴史に残る武士のような方です。いずれも尊敬の域です。 しかし、その方たちの存在が広まっていくのは、「やり方」などの表層だけです。そこにある関係者たちの「考え方」は普及されません。 成功するには相当な工夫や努力が必要なのですが、実施することが目的化され、結果がでなくとも「良い経験になったね」と満足してしまう。これでは採用活動はまったく進化していかないのではと思うのですが、これはもう世の常なのでしょうか。

インターンシップに代わる施策はなにか。

例え、採用活動が長らく変わらないことは世の常だと言われてもなんとか変えたいと思い、日々様々な企業の方たちと共に試行錯誤をご一緒しています。 まだ、試行錯誤の途中のためインターンシップに変わる施策は「これだ」と言えるほどのものはまだないため、ここでは、抽象的にはなりますが現状考えている3つ方向性をお伝えいたします。 A.目的意識ある学生の日常、活動を支援する B.疑似体験ではなく、企業が本気のプロジェクトに学生が参加できる機会を設ける C.覚悟を持って教育と採用を絶妙にバランスさせた良いインターンシップを実施する Cだけ、「結局インターンシップじゃないか」と感じるかもしれませんが、冒頭もお伝えしたとおり、インターンシップの存在そのものを否定するわけではありません。良いインターンシップは今でも採用成果が出ると思いますが、それを実施することは揺るぎない覚悟が必要だということを改めてお伝えしたい。ただそれだけです。 A,Bについて補足しますので、是非共通の問題意識を持つ方と議論をしたいと考えています。

A.目的意識ある学生の日常、活動を支援する

インターンシップはそもそも自分の将来に対する目的意識のある学生に選ばれた機会でした。その原点に立ち返りつつ、今を考えると、なにができるでしょうか。 学生間の外部環境は変わりました。目的意識のある学生は、日々どのような生活を過ごしているでしょうか。おそらく、学内か学外で何かしらの活動をしているのではと考えられます。その活動が成功することを後押しすることができないか。 例えば、かつての新規事業立案インターンシップに参加していたようなタイプの学生は今であれば何をしているでしょうか。おそらく、学生起業をしているか、スタートアップの企業で長期インターンシップに取り組み、若手社会人と変わらないミッションに取り組んでいるのではないでしょうか。もしかしたら、海外の長期インターンシップに参加し、海外で働くことを日本で働くことよりも先に経験しているかもしれません。 そのような方たちはどのようなニーズを持っているでしょうか。そのニーズに対して応えることがなにかできるでしょうか。 基本的にターゲットの学生は日常を忙しく過ごしています。なので5Dayなどは難しく、3時間でもハードルが高いかもしれません。しかしニーズは確実になにかあります。であれば、そのニーズに対して、移動時間でも読めるようなWebの記事や資料を渡すことは出来ないでしょうか。そこから認知を広げるとリアルで接触するハードルも下がっていきます。 そう考えると、メルカリさんなどが展開している自社のオウンドメディアは理にかなっているなと感じています。 mercan(メルカン) http://mercan.mercari.com 実際、私の方でもある企業の方たちと試験的に実施してみたWebコンテンツの取り組みはこれまでにないユニークな結果を生み出しています。

B.疑似体験ではなく、企業が本気のプロジェクトに学生が参加できる機会を設ける

「目的意識のある学生は一部だろ。それでは1,2名は採用できるかもしれないがもっと採用するには不向きだ」という意見もあると思います。それも真実だと思います。実際インターンシップは目的意識のある学生の周辺にいた学生たちが参加していくことで一般化されていったことを考えると、一部の情報感度の高い学生たちが対象になるコンテンツだけではNGです。 Bの案は、インターンシップの進化版のイメージです。学生がインターンシップに参加したいという気持ちを活かすような取り組みです。 インターンシップはプログラムを用意するのが普通ですが、変にプログラムを用意するのではなく、企業が本気で取り組む課題に学生も労働力として期待し受け入れることができないかという案です。 実際、私が企業の方と取り組ませていただいている事例では、ここ2年間で3回その施策を実施し、3回とも内定者を出すことができています。他にも2016年の夏や秋にかけて準備をされている企業の方たちもいらっしゃいます。 「守秘義務などもあるからさすがに無理だ」と感じる方もいると思いますが、かつてのインターンシップも同様でした。その壁を超えてきた方たちが今を作っていらしゃると感じています。 ランチにいきませんか?などのライトな接点をつくるという案もありますが、個人的にはあのやり方はかつての会社説明会の施策のハードルを下げているだけの印象ですので、ターゲットを集めるという点では異なる施策になると考えています。 抽象的で恐縮なのですが、なにか感じることはありましたでしょうか。 共通の問題意識を持つ方がおられましたら、是非ディスカッションをさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。 ※2016年7月19日追記 自分自身のFacebookで7月14日に投稿したところ、10名を越える方からコメント、シェア、個別メッセージを頂戴いたしました。ご連絡をいただき、私自身の考えを深めることや、新たな気づきをいただいております。ありがとうございました。 もしまだご意見ある方がいらっしゃいましたら、お気軽に下記のお問い合わせか、私自身のFacebookよりご連絡をいただければ幸いです。よろしくお願いします。 新治嘉章のFacebook どちらかというとFacebookの使用頻度が高いですが、Twitterもほそぼそとやっています。

この記事を書いた人
新治 嘉章
新治 嘉章

株式会社ジョブウェブ 代表取締役社長

1984年3月 島根県大田市生まれ、千葉県柏市育ち。3児のパパ。2006年 株式会社ジョブウェブに採用コンサルタントとして入社。 スタートアップの新卒採用立ち上げや大手企業の幹部候補学生採用を支援。2013年7月より代表取締役社長就任し、就活の仕組みを変えるをビジョンに会社の変革に取り組んでいる。「仕事を楽しむ大人を増やす」が個人のコンセプト。

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