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良いインターンシップはどうつくられているのか。

新治 嘉章
新治 嘉章
2016年8月3日

先日「インターンシップで採用ターゲットの母集団形成をすることに限界を感じています。(もちろん会社説明会も)」というコラムを書かせていただき、SNSで投稿したところ、複数名の方からコメントや個別のメッセージをいただきました。中にはコラムがきっかけで初めてご連絡をいただいた方もいらっしゃいました。ありがとうございました。


その際にいただいた情報やご意見をふまえ感じたことは、以下のことです。 【1】 インターンシップ関係なく、一般的な「母集団形成」の考え方そのものが限界 【2】 一方で、プログラムや任せる仕事内容が魅力的なインターンシップに魅力的な学生が集まる 【1】については、「だからダイレクトリクルーティングだよね」、「だからリファーラルリクルーティングだよね」という話ではなく、ダイレクトリクルーティングについての考え方を見直した方が良いのではという話でもあると思うのですが、それについては、以前2015年に池田さん(Jobwebの編集メンバー)が書いたコラム「ダイレクトリクルーティングとは?」が個人的には好きなので、こちらを紹介することで、敢えて今回は特に触れずにいきたいと思います。 【2】については、今回いただいた情報やご意見をふまえて気付きが多くありましたので、このコラムに書きながら「良いインターンシップの構成要素」として整理したいと思います。 構成要素の前に、そもそも「良いインターンシップとはなにか」について。良いインターンシップとは、関係者すべてが満足するものだと考えています。関係者とは、参加者、人事担当者、協力社員、責任者(マネージャー、社長など)、そしてもし支援会社が関わっていれば支援会社もです。その前提で、構成要素を整理してみました。

良いインターンシップはどうつくられているのか。

良いインターンシップで結果的に得られる成果はなにか

ここの小見出しをインターンシップの”成果指標”と整理すべきか悩んだのですが、「結果的に得られる成果」としました。それは、インターンシップを採用活動の中で行う限り、インターンシップのゴールは、「採用人数」で測るべきだと思いますが、「採用人数」を最優先にしてしまうとブレやすい感覚を持ったためです。 結果的に得られる成果は、以下のものです。 ・採用成果 ・社員の育成力強化 ・学生間への企業認知向上、口コミの増加 ・社内の仕事のやりがいや企業価値の再認識といったインナーブランディング その他、長期有給インターンシップの場合は、「事業の成長、進捗」などになると思います。

企画時に設定するゴールはなにか。=テーマ・コンセプトはなにか

結果的に得たい成果を得るためには、企画時に何をゴールにするのが良いのか。今回、様々な方から情報や意見をいただき気付きが多かったのはこのパートです。これまでの経験や今回いただいたご意見や情報を踏まえ、良いインターンシップは「その会社独自の魅力が伝わること」をゴールにされているものではないか、という考えに至りました。

「その会社独自の魅力」とは

・周囲に伝えづらいもの 「その会社独自の魅力」は、他社にはないからこそ、なかなか周囲には伝えづらかったりします。 私自身、クライアント企業のみなさまの採用の支援、自社の採用をする中で、これを言いたいのに表現すると長くなってしまうな。複雑になってしまうなと感じることがあります。本当に伝えたい事は、言葉にしにくいことが多いといいますか。実際、新規のクライアントの方から相談をいただくと、「これを伝えたいんだけど、学生にはわかりにくいからな」、「この領域はマニアックだからな」と伝えることを諦めているケースがあります。 もしくは、ちゃんと伝えれば他社との違いが確実にあるのに、パッと見では他社と同じことを言っている、同じように伝わってしまうこともあると思います。 結局はここに向き合い続けることが採用活動成功の近道だと思うのですが、挫折するか、そもそも取り組めていないことが多いきが致します。 ・1つのエピソードだけでは伝えにくいもの 「その会社独自の魅力」は、会社では当たり前となっているからこそ、様々なものの背景にある共通の考え、目指すべきもの、体現することに現れていると感じます。そのためなにか1つの出来事を伝えるのではなく、様々なことを知ってもらうことで伝えることができる。だからこそ、口頭で数時間で伝えられるものではなかったりします。

「その会社独自の魅力」はどうやって見つけるか

私のこれまでの経験から感じているのは、理念やコーポレートスローガンのようなメッセージにこだわりがある会社さんの場合は、そこに「その会社独自の魅力」が理念などのメッセージに詰まっていることが多いと感じます。 また、1つのエピソードだけでなく、複数のエピソードに共通するものであることが多いと感じてますので、「なぜこの事業ができたのか」、「なぜあの人は活躍できたのか」、「なぜあのような働き方が賞賛されるのか」など、会社を象徴するようなできごとの背景には、実は共通している考え方があればそこにヒントがあると考えています。 とはいえ、「その会社独自の魅力」の見つけ方は、私もまだ体系化できていませんので、勉強中です。ふとした会話から見つかることもあるので、まだ再現性がありません。ですので、もし見つけ方のフレームなどをお持ちの方は是非ともシェアいただければ幸いです。 また、Jobweb自体の採用を考える際に気づいたことですが、自社の独自の魅力を自社で考えることは難しいですよね。客観的な意見を聞くことに外部の存在意義があるのだなとも感じました。

「その会社独自の魅力」を伝える最適な有力な施策の1つがインターンシップ

インターンシップはこの伝えづらい「その会社独自の魅力」を伝えるには最適な施策なのだと思います。 ・一定以上の期間触れ合うことができる ・様々な社員と触れ合うことができる ・インプット、アウトプット、フィードバックのやり取りを複数回できる ・体験を通じて魅力を感じることができる これが実現しやすいのが現状はインターンシップとなり得ているのかと思います。

プログラム、どんな体験を提供するか

具体例があった方がわかりやすいかと思いますので、せっかくですので、今回情報やご意見をいただいた以下3社を取り上げさせていただきます。とはいっても詳細にまではお伝えできないので、お伝えできる範囲です。ご了承ください。 ・IMJさんの「サービスデザイン」をテーマにした14日間のインターンシップ ・ガイアックスさんの「アントレプレナーシップ」の長期インターンシップ ・HDEさんの「ビジネスディベロップメント(0→1)」をテーマにした海外出張かばん持ちインターンシップ テーマだけを見ると、どの会社でもやっていそうなほど、耳慣れたものに聞こえるかもしれません。違いはテーマに徹底されたプログラム設計、任せる仕事内容の設計にあると感じています。なので、テーマだけを真似しても同じもの、同じ成果は出ないと思います。

IMJさんの「サービスデザイン」をテーマにした14日間のインターンシップ

IMJさんは、ディレクター/デザイナーマークアップエンジニア/SNSプランナーの4つのコースに分け、現場社員の様々な方たちと14日間に渡って、IMJさんのサービスデザインの考え方のもとに企画を考えていきます。受入人数は各コース2?4名程度です。 IMJさんのインターンシップへのこだわりについて伺ったところ、以下の様な返答をいただきました。

IMJのインターンプログラムは、サービスデザインの専門家がインタビュー調査・分析・設計を行い、学生中心のエクスペリエンスデザインを行っています。事前にインターン生との面談において、インタビュー調査を実施し、データを分析。その結果「働くことがどういうことか分からないし、自分が何をしたいか分からない」というインサイトを抽出。これに対する解決策として「様々な職種の人と関わりながら業務を体験でき、自分自身と向き合える」プログラムを設計しています。実施時も効果と効率を計測し、毎日インターン生の理解にあわせて、日々のプログラムを柔軟に改善しています。

IMJさんが大切にされている「サービスデザイン」。この企画の考え方の元、プログラムを設計、運営されているため、インターンシップ参加学生が参加しながら業務を体験しつつも、顧客としてサービスデザインを体感していると想像できます。このような設計によって、「デジタルの力で生活者の体験を豊かにする」という理念の深い理解が参加者の方たちに伝わっているのではないでしょうか。

ガイアックスさんの「アントレプレナーシップ」の長期インターンシップ

ガイアックスさんは、2015年以降新規事業として立ち上がっている「 TABICA 」「 notteco 」や投資先などでのインターンを受け入れています。 ガイアックスさんは、様々な新規の事業をつくられてきた企業です。そして、多くの起業家や経営者を輩出しています。その事実だけではパッと見、他の企業でも同じようなことがいえるかもしれませんが、「アントレプレナーシップとはなにか」、「なぜアントレプレナーシップを持つべきか、なにを目指すか」、「資本主義とどう付き合うか」というところには他社との確実な違いがあります。その原点には、「人と人をつなげる Empowering the people to connect.」への深い考えがあります。と書いていて意味が伝わりづらくなっている気がするのですが、このこだわりは社員として働いてこそ伝わるものです。とした時に、社員同様のことを任せているこの長期インターンシップは合理的な施策と感じられます。 ここまでお伝えすると、「社員と同様のことを任せることは難しい。ましてや新規事業なんて。」を思われる方もいるかもしれません。その点についてもご意見を伺いました。ガイアックスさんでは新規事業にインターン生を受け入れる2つのメリット理由があるそうです。 1つ目は、新規事業のコストバランス。 これはシンプルです。新規事業は未知の領域。まだ何をすれば成果出るかわからない検証段階状況の中では、正社員を多くは配置できない。ただ、ここで思うことは、その上で「インターン生なのか」という疑問です。その疑問に対する答えが2つ目の理由です。 2つ目は、新しい領域では若い人が事業の成長に大きく寄与すると考えられていること。 インターン生は年齢が上の正社員よりもスキルは多少劣りますが、若いことによるインターネットに対する当たり前感覚の高さ、もともとの感覚の鋭さが仕事を通じて花開くことも多く、これが事業の立ち上げ、成長に必要不可欠であると考えられています。その考えからも、学生への期待の高さと信じる精神を感じます。「結局は学生でしょ」という考えがある中で、新しい領域の場合は年齢や社会人経験は関係ない。むしろ市場側も学生だからとかは関係ない。社員、学生は関係がないからこそインターン生を受け入れ、そこに対して期待し、任せる。だからこそ、その環境に魅力を感じる優秀な学生が集まっていると感じました。 ここにもガイアックスさんの理念に「人と人とがつながり、無縁に感じていた人が身近な存在に感じられるようになり、広く社会全体に思いを馳せ、行動に移せるように変化する」と書かれているように、社員もインターン生も同じミッションの元集まれば、関係ないじゃないかという思想が想像されます。 お話を伺う中で、ガイアックスさんからは「既存事業ではなかなか失敗できないですが、新規事業は失敗を受け入れやすい。そう考えるとむしろ、長期インターンシップ生は新規事業の方が受け入れやすいのではないかと思いますよ」とご意見をいただきました。 この話には「確かに」と納得しつつ、ここで大事になるのは「新規事業は失敗を受け入れやすい」この企業文化がある会社だからこそアントレプレナーシップが育まれるのだなと感じました。

HDEさんの「ビジネスディベロップメント(0→1)」をテーマにした海外出張かばん持ちインターンシップ

HDEさんは、2015年3月からこれまで3回、約1週間の海外出張に同行できる企画をインターンシップとして実施されています。インターンシップに至るまでには、1,2ヶ月程度の選考過程があります。受入人数は特に上限を決めていませんが、過去3回で、選考への参加人数は各回10名程度、海外出張に同行できている人数は第1回:1名、第2回:1名、第3回:1?3名程度です。 HDEさんは、クラウド・セキュリティソフトウェア開発・販売を行っている日本で数少ない自社開発の独立系ソフトウェアベンダーで、国内シェアは約8割の製品を展開されています。現在は、海外からインターンシップを受け入れながら、正社員の採用を積極的にされ、海外展開を加速されています。そんなHDEで活躍するために必要な要件が「ビジネスディベロップメント」、「0から1をつくりだす力」です。 0→1というと、一般的には1つのステップに見られる、始めればすぐに1になるような印象がありますが、1をつくるまでには途方も無いほどの0.01の積み重ねが必要になる。そこの覚悟や実行力を問うことをこのインターンシップやインターンシップに至るまでの選考フローで体感できるように設計されています。設計というとプログラムが用意されているように感じられますが、0→1に取り組むため、選考プログラムは何も用意せず、対応ポリシーを設計しているようなイメージです。 多くの参加者は、経営陣を含め、様々な社内の方と接することになり、結果的にHDEのビジョンである「テクノロジーの解放 https://www.hde.co.jp/information/vision/」の言葉の深さを体感でき、海外出張に同行する時には自分の言葉で話せるようになっていると感じています。結果的にこのインターンシップからは毎回内定者が輩出されています。より詳しい情報は、以前Jobwebの活用事例としてインタビューさせていただいています。そちらをご覧ください。 >> 一般的な就活をしていないが優秀な学生。そんな『就活非活動層』に出会う方法とは?【Jobweb活用事例】

まとめ

いかがでしたでしょうか。 インターンシップの構成要素を結果的に得られる成果、企画時に設定するゴール、プログラム内容に分けて整理をしてみました。当初はもっと分けようかと思ったのですが、自分自身がわかりにくくなってしまったので、最後は3つに整理しました。 これまでを整理してきた中で、良いインターンシップに共通することはいくつかあると感じています。 ・採用活動ではあるが、「その会社独自の魅力」が伝わるようにという一貫したコンセプトの結果、プログラムがつくりこまれ、教育機会としての価値が高まる。 ・そのため、その価値に惹かれる参加者が集まる。 ・結果的に、密度が濃い参加者が集まる。 ・その後、参加者は教育機会としての満足度が高まり、副次的に企業への興味が高まり採用にいたる。 一方で、 ・受け入れられる人数に限りがあるため、一般的な、「数を集めることを重視した母集団形成」には不向きである。 ・もし、母集団形成に課題を感じていなければ選考過程として実施する方が惹きつけやスクリーニングの観点で正しい施策になるかもしれない。 そんなことを先日のコラムに対していただいたご意見をふまえて感じたことでした。 もし、もっとこんな構成要素もあると思う!という意見があれば是非コメントやメッセージをいただければ幸いです。また、前回のコラム公開後の反響として、今考えている自社の採用施策についてディスカッションがしたいというご意見もいただきました。 私の体が空く限り、コラムを見ていただいた方とはオンライン、オフライン問わずにお話をしたいと考えております。個別でもお問い合わせフォームからでも構いませんので、ご連絡ください。 最後までお読みいただきありがとうございました。 追記 良いインターンシップの構成要素としては入れにくかったテーマとして、私が思う「採用成果が出たインターンシップの改善方法」があります。こちらに関しては、別コラムにて整理しました。興味がある方はご覧いただければ幸いです。 「インターンシップの改善・見直し方 ~インターンシップの価値を高めるには~

この記事を書いた人
新治 嘉章
新治 嘉章

株式会社ジョブウェブ 代表取締役社長

1984年3月 島根県大田市生まれ、千葉県柏市育ち。3児のパパ。2006年 株式会社ジョブウェブに採用コンサルタントとして入社。 スタートアップの新卒採用立ち上げや大手企業の幹部候補学生採用を支援。2013年7月より代表取締役社長就任し、就活の仕組みを変えるをビジョンに会社の変革に取り組んでいる。「仕事を楽しむ大人を増やす」が個人のコンセプト。

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