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インターンシップの改善・見直し方 ~インターンシップの価値を高めるには~

新治 嘉章
新治 嘉章
2016年8月16日

前回のコラム「良いインターンシップはどのようにつくられているか」を執筆していた際に書きそびれていた、「インターンシップの改善、見直しの仕方」について、本コラムで改めて整理したいと思います。 良いインターンシップは、体外的なブランディング、インナーのブランディング、社員の若手育成力の向上など、結果的に様々な成果をもたらします。そしてその中の1つが、採用成果です。インターンシップの成果と呼ばれるものが様々ある中で、最もわかりやすく評価しやすい採用成果。 採用成果が出たインターンシップには、そこからさらなる採用成果を出したい、という期待が、経営者や人事責任者などの社内から高まります。結果、採用成果をより多く出すために、どう改善していくか?という方向性で議論が進んでいきます。 ただ、ここで注意が必要なのは、その改善の方向性によっては成果が出ていたものが出なくなることがある、ということです。このコラムでは2006~2008年頃に流行った「新規事業立案インターンシップ」等のグループワーク型インターンシップの具体的改善例を取り上げながら、私の実体験も元にして、整理をしていきたいと思います。

インターンシップの見直し方 ~接触人数を追うのではなく、対面での価値をあげる工夫を~

採用成果をより多く出そうとして陥りがちな、改善の方向性

例えば、インターンシップで、会社説明会などでは出会えないような、社内的にも評判の良い学生を採用できたと想定します。その場合、そのインターンシップからの採用成果を、より多く出そうと考えるのではないでしょうか。 今までの2倍の採用成果を出すためにどう改善するか。 一般的には3つの方向性が考えられます。 1. 同じインターンシップの実施回数を2倍にする 2. インターンシップの定員を2倍にする 3. 別のインターンシップを追加で開催する それぞれについての具体的な改善方法と注意点を整理してみました。

1. インターンシップの実施回数を2倍にする

実施回数を2倍にするやり方としては、 ・8月だけにやっていたものを9月にも実施する。 ・1回の期間を半分にし、同じ実施期間で倍の回数を実施する。 ・他の地域での実施。東京だけだったものを大阪や京都でも行う、というケースも多いかと思います。 この時の注意点は、 短縮化、他地域展開で同じクオリティを出すことができるか →短縮化は、5daysで実施していたものを2days、3daysなどに変更する場合、参加者へのフィードバック回数や時間、触れ合う社員数や時間、インプットをする量や時間が減ります。他地域展開は、仮にオフィスが東京のみだった場合、その他の地域には出張をして実施することになります。その時に現場社員の協力は可能なのか?おそらく人事部だけで運営するという場合もあります。今まで提供できていた価値と同等の価値を提供できるか、が注意点となります。 人事部や協力社員の業務負荷 →追加したインターンシップの業務量が、日常業務に追加されるとなった場合、業務バランスに問題が発生しないかどうか。

2. インターンシップの定員を2倍にする

これは想像しやすいかと思います。毎回10名でやっていたものを20名に、などです。 この時の注意点は、 参加者に占めるターゲット人材の密度を維持、高めることができるか →接触人数に重きを置くあまり、数合わせのような形で参加者を集めることになる場合があります。これは、参加者同士の参加動機の強弱のギャップが広がり、プロジェクト期間中の不満につながり、満足度が下がることにつながっています。そして、それはインターンシップ実施企業への動機形成にも影響を及ぼします。

3. 別のインターンシップを追加で開催する

例えば、新規事業立案インターンシップで成果が出た場合、マーケティングインターンシップ、エンジニアインターンシップなど、新たなプログラムで実施をする、というケースです。 この時の注意点は、 すでに実施しているインターンシップとはタイプが違う学生が集められるのか?そしてそのタイプの学生はターゲットなのか? →新たなインターンシップを実施することで、興味を持ってくれる学生のタイプが広がる可能性があります。しかし結局、参加者の集め方、参加までの惹きつけ方が変わらない場合、参加学生は今までと同じタイプの学生になります。それでは、既に実施しているインターンシップの実施数を増やす施策と、あまり得られる効果が変わりません。また、異なるタイプの学生を集めようとした時に、その学生が果たして採用ターゲットなのか?という観点が抜けてしまっていると、結果、採用成果につながらなくなってしまいます。 3つの一般的な改善方法を整理してみました。 成功したインターンシップを起点に、さらに成果を増やそうと思い描くことは王道だと思うのですが、注意点に挙げたような点がボトルネックになり、結果的にインターンシップの提供価値が減り、採用成果が減ってしまう実例を今まで見てきました。

インターンシップの提供価値を高める

私としては、「成功から学ぶことは多い」と思いますし、「成功している施策をさらに育てる」は王道だと思っています。その上で、改善の方向性が「参加者に対する提供価値の維持」になってしまっているのではないか、と感じています。 インターンシップによる成功をさらに望むのであれば、インターンシップの参加者への提供価値を高めることが大前提にあるのではと思います。言い換えると、「参加者の更なる成長」や「参加者によるアウトプットのクオリティアップ」です。 その上で、私が意識していることは、「対面でやるべきことへのフォーカス」です。 人がその場に集まり、直接の対話だからこそできることはなにか。例えば、社員が参加者に対して、対面で伝えてきたことの中で、Webの記事や動画に代替できる部分はないでしょうか?その部分を事前のインプットとして先に提供しておくことで、対面では、もっと議論を深めることができるかもしれません。

例えば3日間の新規事業立案インターンシップの場合、どのように改善することができるでしょうか。

ここで、架空の3日間の新規事業立案インターンシップを例に考えてみたいと思います。

3日間新規事業立案インターンシッププログラム

上記のようなスケジュールが想定されます。 追加のオプションとして、グループワークと書いてあるところに社員との関わりを増やしたり、講義を増やす手もあります。これが1dayになるとアイスブレイクと中間発表がなくなりますし、5daysになると中間発表が3日目になるか、毎日発表とフィードバックがあるかなどの変化があります。2週間になると、最初1週間で考えたものを後半1週間で可能な範囲で実行してみたり、営業同行や会議の参加などで実体験とつなげていくことが多い印象です。 話を戻しますと、例えばこの3日間プログラムの場合、どのように改善することができるでしょうか。 スケジュールの中から「対面でやるべきこと」にフォーカスすると、 ・参加者同士のディスカッション ・参加者のアウトプットへのレビュー、フィードバック ・参加者と社員のディスカッション ・参加者同士の交流 ・参加者と社員の交流 が挙げられます。 アウトプットのクオリティを高めるためには、上3つの改善が考えられ、満足度を高めるには下2つも含めたすべての見直しが検討されます。

事前共有で、有効時間を増やす

例にあげた3日間プログラムの中で、具体的な改善の余地があるのは初日の「1-1 アイスブレイク」や「1-3 講義」です。別のやり方で、できることはないでしょうか。 例えば、参加者の自己紹介は先にオンラインでグループをつくって済ませておく。参考情報のインプットは事前にスライドや動画を共有しておく。だからといって、当日の自己紹介をやらない、講義をしないということではありません。事前に行っておくことで、当日の内容を深めることができますし、時間の短縮ができると考えられます。結果、開催期間を短くできるかもしれませんし、日数は変えずともオフィスに集まる回数を減らせるかもしれません。場合によっては、開催回数が増えても協力社員の数は変えずに実施することも可能かもしれません。 「参加学生は、事前に言ってもやってくれないのではないか?」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際に運営できている事例も多くありますので、こちらにできることは参加者を信じること、そして事前にやりやすくすること(ユーザービリティ)への工夫、なのではないかと思います。

取り組むテーマ、提供する参考情報クオリティの見直し

他に改善の余地があるのは、「1-4 1日目のグループワーク」、つまり一番最初のグループワークです。具体的には、参加者が取り組むテーマのクオリティ。そして、提供する参考情報のクオリティです。 例えば、グループワークのテーマが 「我が社の新規事業を立案せよ。事業領域は、まだやっていないことであれば何でも良い。」 だった場合、最初のグループワークでは、どのような議論が起きるでしょうか。 ・何の事業領域にする? ・日本?海外? ・売上規模とかゴールはどうする? ・誰向けの事業か決めよう。 ・身近なとこでいうと、大学生向けが考えやすいかな ・最近だと、Pokemon Goが流行ったから、ARはどう? ・私、◯◯領域に関心あるんだよね。 ・じゃあまずは20分位で個人でアイディアを考えよう。 といったブレストが始まるのではないかと思います。 果たして、本来、参加者にはこうした議論に時間を割いて欲しいのでしょうか。 そして、これは自社の業務の疑似体験になっているのでしょうか。 もう少しテーマを絞り込んだとします。 テーマは、「◯◯領域での事業計画を立案せよ。ゴールは、3年後に売上◯◯、利益◯◯になっていること。」などです。この場合、先述した議論の最初のブレストはしなくて良くなります。◯◯領域の市場調査などを盛り込む場合は、参考情報を出すことで内容により深みがでてきます。 また、別の方向性としてテーマを考えることもできます。 テーマは、「私たちが今年から始めた新規事業の成長プランを立案せよ。ゴールは3年間で売上◯◯、利益◯◯。」 このテーマの方が、実は参加者が本来考えて欲しいことの場合もあるかもしれません。 このテーマで起きてしまいがちなことは、過去のその会社ですでにやったこと、失敗したこと、これからやることが決まっていることと同じ案が出てくるなどです。その時に「それはうちでもやったことがあるけどうまくいかなかったんだよね。もっと違うことを考えて欲しい」とフィードバックをするくらいであれば、先に過去に取り組んだ施策は参考情報として伝えておいたほうが、より生産性の高い議論ができると思います。 今回は新規事業立案インターンシップを例にしましたが、既存事業の体感ができるプログラムの場合は、おそらく前年に取り組んだテーマや事例は古くなっているかと思いますので、情報を最新にすることで、むしろ前年の取り組んだものを参考情報として事前に伝えておく、といったこともできるかと思います。 こういった工夫をすることで、プログラムの価値が高まり、インターンシップの集客力や参加者からの選考遷移率が高まる可能性があります。

オフラインだからこそのメリットはなにか

ジョブウェブは2000年前半から業界内でも先駆けて企画し続けてきた合同企業説明会と就活支援講座の開催を、2014年に辞めました。現在、就活支援講座はオンライン上で実施をしています。辞めた理由に関しては、以前にコラムで書いていますので、もしご興味があれば御覧ください。「ジョブウェブが合同企業説明会の開催を辞めた理由。」 そこで気づいたことは、オフラインの価値です。オフラインだからこそできること、オフラインだからこそのメリットは何でしょうか。 例えば、人同士のオフラインのつながり。これは当然ながらオフラインだからこその価値です。 そして、ほぼ強制的に同じ場を共有できるからこそ参加者が自分の潜在的なニーズに気づき、満足する。これはオンラインでもニーズに応えることはできますが、オフラインでの方が価値が高いと感じます。オフラインかオンライン、どっちかが良いわけではなく、組み合わせこと、使い分けることが大事だなと感じています。 オンラインを活用しつつ、辞めたからこそ気づけたオフラインの価値や役割を、今は様々なクライアント企業のみなさまと取り組ませていただいています。

インターンシップは期中に何度でも改善できる

インターンシップは1年、1シーズン毎にブラッシュアップするのではなく、期中でも何度も改善できます。そしてこれはインターンシップに限った話ではないと思います。 「自社の場合、どうやって改善していくのか話したい。」というご相談はもちろん、「うちではこんな風に改善しているよ!」といったご意見がございましたら、以下のお問い合わでご連絡いただくか、Facebookなどで個別にメッセージをお送りください。ぜひ、お話をさせていただければと思います。 今回は「インターンシップの改善の仕方」について整理をしてみました。 最後に、インターンシップに限りませんが、「施策の運営メンバーがその採用施策にやりがいを感じられるか。」は改善云々とは関係なく重要なポイントだと思っています。むしろ、基本的に工夫なく、同じプログラムをやり続ける限り成果は下がっていくことが世の常だと思いますので、採用活動においても創造性を発揮しながら取り組んでいくことが、すべての関係者にとって良い成果が得られるのではないかと考えております。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事を書いた人
新治 嘉章
新治 嘉章

株式会社ジョブウェブ 代表取締役社長

1984年3月 島根県大田市生まれ、千葉県柏市育ち。3児のパパ。2006年 株式会社ジョブウェブに採用コンサルタントとして入社。 スタートアップの新卒採用立ち上げや大手企業の幹部候補学生採用を支援。2013年7月より代表取締役社長就任し、就活の仕組みを変えるをビジョンに会社の変革に取り組んでいる。「仕事を楽しむ大人を増やす」が個人のコンセプト。

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