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母集団形成数は虚栄の指標?!インターンシップ参加者から口コミをつくる企画のポイント【人事インタビュー】Vol.20

新治 嘉章
新治 嘉章
2017年1月18日

他の人事が何を考えているのかを知りたい。
そのシンプルなニーズに答えるのが、本企画(人事インタビュー)です。

今回のテーマは「インターンシップ参加者から口コミをつくる企画のポイント」です。

今回は、インターンシップ参加者の口コミによる波及効果を生み出すことに成功しているアイ・エム・ジェイさんのインターンシップ。わたくし、ジョブウェブの新治 嘉章(しんじ よしあき)がインターンシップの企画に携わられている現場社員の太田さん、赤石さんと採用担当者の宇野さんにお聞きした内容をご紹介します。参考になる情報があれば、ぜひ、自社の採用活動にお役立て下さい。

それではどうぞ。

母集団形成数は虚栄の指標?!インターンシップからの口コミをつくる企画のポイント【人事インタビュー】Vol.20


インタビュー

新治 まずはインターンシップを始めた頃に採用担当者を務められていた宇野さんに伺いたいのですが、そもそもなぜインターンシップを始められたのでしょうか。

宇野 採用におけるブランドイメージを高めたいと考え、行き着いたのがインターンシップでした。アイ・エム・ジェイは、BtoBですし業態がわかりにくい。正しく自社のことを理解してもらうためには、説明ではなく体験が適していると考えました。

新治 説明ではなく、体験ですか?

宇野 そうです。言葉を尽くして説明した先にあるのは説得であり、それは正しい理解には繋がりにくい。正しい理解には、インターンシップという体験を通じて納得してもらうことが良いと考えました。

新治 なるほど。

宇野 また、インターンシップの目的は一般的には母集団形成ですが、私たちのインターンシップの目的は「インターンシップ参加者が満足する体験を提供し、自社のことを正しく理解してもらい、友人や後輩に口コミで波及させていくこと」でした。

新治 母集団形成目的であれば、目標は接触人数になりますが、これだけインターンシップの目的が違ってくると、インターンシップの目標のつくりかたも一般的なものとは異なりますよね。

宇野 そうですね。うちの場合は、「インターンシップから5人採用しろ」とは求められないんですね。でも、インターンシップ参加者が学んだことを学校に持ち帰って、友人に広げてくれて、その話を聞いた友人が選考を受けに来てくれるんです。それで最終的な採用目標に達成する構図を考えています。

新治 インターンシップ単体の施策に目標を持たせず、その構図をつくる。そこを考えることもですが、それを社長などの会社の方が理解してくれるのがすごいですね。

宇野 社内には、「インターンシップ参加者からは採用できないかもしれません。ただし、インターンシップのクオリティを追求し実施すると、波及効果があり、最終的に良い影響が生まれる。そのためのインターンシップとして考えてください。」と伝えています。この構図を実現するため、インターンシップの実施にかなり工数をかけていますね。

新治 なかなか波及効果が生まれるインターンシップを企画・運営することは簡単なことではないですよね。それでは、続いてインターンシップの企画・運営に携わられている太田さんと赤石さんに伺います。インターンシップの企画・運営をされる上で大切にされていることを教えてください。

太田 「学生に相当満足してもらえるプログラムを実施すること」ですね。インターンシップに参加するだけで価値があるような有名企業とは違い、学生の間で名前が出ることの少ないアイ・エム・ジェイで、普通のインターンシップを開催してもそもそも人が集まらないですよね。なので、相当満足してもらえるプログラムをできるように意識しています。

新治 確かにそうですね。他にも大切にされていることはありますか?

赤石 実際の業務に沿った内容を実施することです。これは、学生の反応を見て気づいたのですが、インターンシップ参加者の学生から「今取り組んでいることってアイ・エム・ジェイさんの本当の業務の中で使われているんですか?」という質問をされることが多いんです。「そうだよ」と回答すると、「よかったです。安心しました」という反応が返ってきます。業務の中で使われていることを体験できるようにすることが喜ばれることに驚きました。

新治 本来、業務を体験できることは当然のことなのですが、学生が「このインターンシップをやっても本来の仕事を体験したとはいえないのではないか」と不安になってしまうのが今のインターンシップで起きていることですよね。

太田 そうなんですよね。アイ・エム・ジェイのインターンシップは弊社の事業でも取り入れているサービスデザインの考え方を学生が体験できるように設計しています。そこで参加者に向けてサービスデザインについてを話す際に、「何かをつくる前に、何をつくるべきかをちゃんと考えてからつくりましょう」と伝えているので、企業が開催するインターンシップでも同じことが起きていると思うんですよね。「そもそも何のためにインターンをやるのか」、「学生に来てもらってどうするのか」というのが、不明確ですよね。「学生に良い印象を持ってもらい、選考を受けてもらえればそれで良い」とまでしか設計されてないインターンシップが多いような気がします。

新治 母集団形成が目的で、学生が来たらOK。あとは囲い込むというやり方ですよね

太田 いかにも日本のマーケティングですよね。スマホアプリで言う、「何百万ダウンロード」のような。ダウンロードしても使ってないかもしれないじゃないですか。私たちがリサーチするときに、こういう数値を“虚栄の指標”と言います。

新治 “虚栄の指標”。

太田 いかにも偉い人たちが喜ぶような指標を現場は出すんですけど、実際にはその指標には何の意味もない。よくある意味のない数字として挙げられるのは、1つはダウンロード数、もう1つは会員登録数。このように右肩上がりになっている指標ってあると思うんですけど、そもそもよっぽどのことがない限り退会しないですよね。休眠しているかどうかの指標は出さないわけですし。

新治 新卒採用で言うと、母集団形成数が典型的な数値ですね。もう少し考えたとしても、母集団の中の上位校比率などが“虚栄の指標”の代表格になるんだと思います。

太田 “虚栄の指標”にとらわれていると、実際その施策をして本当に効果があったのかを考えられなくなります。新卒採用の場合は、企業と学生がエンゲージすることが大事。学生との関係性はできたのか。学生は満足してくれたのか。そもそも「採用したい学生が満足することはなにか」を考えられていないように感じます。

新治 確かに新卒採用では、採用支援会社も含めて重要な指標は母集団形成数や上位校比率と考えている人が多いため、その指標を疑う機会が少ないかもしれないですね。


解説

インタビューはいかがでしたでしょうか?

学生の口コミの源泉となっているインターンシップ。企画する上で大切にされていることはなにか秘密があるかと思いきや、「相当満足してもらえるプログラムを実施すること」と「本来の業務を体験してもらうこと」という当たり前のことでした。

インタビュー中に出てきた、学生からの質問でもあるように、実際はその当たり前のことができていないインターンシップが増えているのが現状です。それはインターンシップの役割が、早期の採用施策として確立していることが大きいと感じます。
インターンシップで何名採用するか。そのためには参加者を何名集める必要があるか。そのためには何名の応募を集める必要があるか。このように1つの施策単位で目標を掲げることになります。

改めて、もしインターンシップを実施するのであれば、単体の採用施策として考えるのではなく、その他の採用施策もふまえて全体の中でどのような役割を果たす施策なのか。目的や役割から考えてみるのが良いのではないでしょうか。

次のインタビューでは、「企業と学生が教え合い、学び合うインターンシップ」をテーマに、アイ・エム・ジェイさんはインターンシップ中に参加者から何を学び、参加者には何を提供しているのかをお聞きしました。

https://company.jobweb.jp/post/a-119205


プロフィール

アイ・エム・ジェイ採用チームの皆様

太田 文明(Bunmei Ohta)さん  写真左

株式会社アイ・エム・ジェイ R&D室 マネージャー/リードストラテジスト HCD-Net認定 人間中心設計専門家 UX戦略およびサービスデザインにおける全工程的なコンサルティング、国内におけるサービスデザイン・プロジェクトの先進研究、手技法およびプロセスの開発を主な業務とする。

赤石 あずさ(Akaishi Azusa)さん  写真中央

株式会社アイ・エム・ジェイ R&D室 ファシリテーター/デザインリサーチャー サービスデザイン・プロジェクトにおける調査分析業務に従事。ネットアンケートからインタビュー、行動観察まで幅広くデザインリサーチの設計・実査に携わる。

宇野貴嗣(Uno Takatsugu)さん  写真右

株式会社アイ・エム・ジェイ 人材戦略本部 新卒採用・中途採用を担当し従来型の採用ではなく、サービスデザインをベースにした相互理解が深まる選考やイベントを多数企画。2015年の新卒採用選考「落ちたら、採用します。」でグッドデザイン賞を受賞。

書籍のご紹介

Web制作者のためのUXデザインをはじめる本

体験のデザインって、こういうことか!8ステップではじめるWebのUXデザイン!
本書は、実際に大手デジタルマーケティング会社でUXデザインを実践してきた執筆陣が、Web制作者が知っておくべき、UXデザインの「基本」から「ユーザビリティ評価」「プロトタイピング」「構造化シナリオ」「ユーザー調査」「カスタマージャーニーマップ」「ユーザーモデリング」「組織導入」までを、8つの章に分けて解説していきます。

この記事を書いた人
新治 嘉章
新治 嘉章

株式会社ジョブウェブ 代表取締役社長

1984年3月 島根県大田市生まれ、千葉県柏市育ち。3児のパパ。2006年 株式会社ジョブウェブに採用コンサルタントとして入社。 スタートアップの新卒採用立ち上げや大手企業の幹部候補学生採用を支援。2013年7月より代表取締役社長就任し、就活の仕組みを変えるをビジョンに会社の変革に取り組んでいる。「仕事を楽しむ大人を増やす」が個人のコンセプト。

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