【採用あるある】夏インターン 張り切るけれども 成果出ず
2017年6月30日
【採用あるある】では、
採用担当者が日々の業務の中で経験する「あるある」について、採用担当未経験のジョブ吉が、採用担当経験豊富な直子(なおこ)先生からアドバイスをもらう様子をお届けします。
それではどうぞ。
夏インターン~
張り切るけれども~
成果出ず
これは要するに・・・

<回想シーン>
採用担当A田:えー、皆様! 今回はご多忙の中、「サマーインターンフィードバック総会」にお集まりいただき、誠に有難うございます。
この場では、弊社のサマーインターン参加者で、選考未応募者または選考辞退者である皆様から率直なご意見をいただき、次年度のサマーインターン企画に活かしていきたいと考えています。
この場のルールはシンプル。挙手制で意見を募ります。制限時間120分の間に出てきた意見の数×100円を皆さんの報酬に追加します。つまり、70の意見が出てきた場合、基本参加報酬3,000円に+7,000円、合計10,000円の報酬を全員にお支払いします。
学生たち:ざわ…ざわ…
A田:それでは、人事部長のS藤より開会の挨拶をさせていただきます。
S藤(人事部長):人事部長のS藤です…この場限りの話としていただきたいのですが、正直な話、皆さんに参加いただいたサマーインタ―ンから生まれた採用成果はゼロでした。
これはなぜなのか?
私たちはその理由が知りたい。ええ、どんな批判や非難も受け入れるだけの覚悟が私にはあるともッ! あなた方の本心を遠慮なく教えてほしいッ!
A田:えー、それでは、ご意見がある学生の方は挙手をお願いします。
学生たち:うおおおおおおおお(怒涛の挙手)
A田:なんと! 全員挙手されているので、最前列の左端の方から順番に行きましょう。お願いします。
学生Aさん:御社が実施された無人島インターンはとても楽しかったです! カレー作ったり、テントを張ったり、キャンプファイヤーをしたりして良い思い出になりました。そういった機会をつくってくれた御社に対しては感謝しています。
でも、御社のビジネスには興味がまったくないので選考には応募しませんでした。というか、本選考の時期には、御社のことをすっかり忘れていました。
S藤:クッ…
A田:・・・(とにかく印象に残る機会を提供すれば、本選考の時期にウチの会社のことを思い出してもらえて、選考応募してもらえるはずというS藤パイセンのヨミが外れたっすね…)
学生Bさん:無人島インターンでは正真正銘の本物の無人島にこだわる必要はなかったのではないでしょうか? 7Daysインターンなのに移動に6Daysかかるのは、ちょっとどうかと思います。「こんな過酷な弾丸インターンを企画する会社なんか絶対応募しねーよ」って、インターン終了後の帰りの船の中で船酔いに苦しみながら堅く決意しました。
S藤:グフッ。
A田:・・・(何事もリアルでないと今どきの学生は満足しないから、無人島の場所にも徹底的にこだわるべきっていうS藤パイセンの考えが裏目に出たっすね…)
学生Cさん:僕は…
A田:はいはいはいスト~~ップ! すいません、ちょっと、マイクの調子が悪くなったようなので5分間の休憩タイムとさせて頂きます!
~控室にて~
A田:パイセン、やっぱり、学生からダイレクトに批判されるのは辛いっすね? ギブアップします?
S藤:い…いや…まだ、やれる…はず
A田:流石パイセン! 学生の声は真実ですから、ちゃんと向き合わなきゃですね。でも、泣きたいときは泣いていんす、よ?
S藤:ウワァァァァン!!!
・・・もわわわ~ん、ってことですよね?
教えて直子先生!
直子先生のアドバイス
直子先生:これは「あるある」よ。夏インターンから採用成果が出ないことは、とても辛いことだわ。ジョブ吉:やはり。
直子先生:夏インターンは、喩えるならば「お祭り」よ。
学生に対して就業体験の価値を提供するために、採用担当者が中心となって企画を練り上げ、社内の各部門をワッショイワッショイと巻き込み準備を整える。インターン期間中は学生が成長感や充足感を得られるように、現場部門が気持ち良く指導ができるように、両者をソイヤッソイヤッとフォローし続ける。そして、インターン最終日に感動のフィナーレ・大団円を迎えるのよ。
インターン参加学生から「いい経験をさせてもらいました。ありがとうございました!」と感謝されることは、とても嬉しいことだし、やりがいを感じる瞬間なのよね。ふふっ
ジョブ吉:ソイヤッソイヤッ!
直子先生:ただね、ビジネス視点で超ドライに見ると、インターンも一つの採用施策に過ぎないから、投資対効果を見ることが欠かせないわ。夏インターンという「お祭り」にかけたパワーに見合うだけの採用成果が出せるのか? という問いと向き合わなきゃ。
ジョブ吉:ワッショイワッショイ!
直子先生:ちなみに、ジョブ吉くんは、夏インターンを「お祭り」に喩えた、私の真意を理解しているのかしら?
ジョブ吉:わ、、、ワッショイ?
直子先生:ワッショイは関係ないわ。夏インターンを「お祭り」に喩えたのは、それが非日常的な体験になりがちだからなのよ。
本来、インターンシップという場で提供されるべき価値は、社員が日常的に体験していること、つまり「実際に働く体験」よ。
インターンに参加した学生が「この会社で働くってこういう感じなんだ」「こういう人たちとこんな雰囲気で働くんだ」と理解できるようなプログラムを提供することが理想だと思うし、年々、長期インターンが増えてきているのは望ましい傾向だと捉えているわ。
でもね、ビジネス活動にはすべからく時間と予算の制約があるわ。そういうわけだから、世の中に流通するインターンシップなるものは、1Dayとか2~3Daysという具合に、短期間開催のプログラムが圧倒的に多いわけ。
で、その短期間に、仕事理解に繋がるようなエッセンスをぐいぐい詰め込みながらドラマチックな演出を盛り込むわけだから、プログラムの仕上がりとしては、社員から見ると「おいおい、なんだその急展開は! そんな都合良い展開があるわけ(ry」とツッコミたくなるような非日常的な体験が出来上がるのよ。
ジョブ吉:・・・(これは要するに、長編小説の連ドラ化で起こる「えっ、なになに、なによ、この展開は? 原作と違うやんけ!」と憤る原作愛好家と「いやいや、だってよ、連ドラ10話分で話を終わらせるには、これぐらいの駆け足でストーリーを展開させなきゃ終わんねぇよ」と憤る制作サイドとの対立関係の相似形であるとジョブ吉は勝手に理解したYO!)
直子先生:ジョブ吉君?
ジョブ吉:直子先生、話は分かりました。で、実際に直子先生がこういった、もわわわ~んなシチュエーションに遭遇したら、どうなんです?
直子先生:自分なりに一生懸命頑張って企画・運営したインターンから採用成果が出なくて、その理由を探るために学生から意見という名の集中砲火を浴びて、自分に負けそうになっているS藤の立場だったらどうするかという話?
ジョブ吉:はい。
直子先生:そうね。
ジョブ吉:はい。
直子先生:負けないでっ、もぅ少しぃ~♪、最後まぁで~♪ 走り抜けてぇ~♪♪
ジョブ吉:貴重なお話ありがとうございました!
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この記事を書いた人
ジョブウェブ公認キャラクターのジョブ吉です。就職活動をしている人、採用活動をしている人。それぞれに対して心から役立つと思える情報をお届けしていくYO!